筑波大学学園祭「雙峰祭」WEB サイト
筑波大学の学園祭で WEB 部門の責任者として活動していたときの話です。
雙峰祭 WEB サイトとは
雙峰祭 WEB サイトとは筑波大学学園祭「雙峰祭」の第 47 回(2021 年)で公開された WEB サイトです。本回はオンラインでの開催となっており、WEB 上で各団体が投稿したコンテンツを閲覧できるようなものでした。現在は期間が終了し非公開ですが WEB Archive で閲覧することができます。JavaScript などが正常に動作していないのでアニメーションなどは効いてないです。
どのように関わったのか
学園祭実行委員会の「情報メディアシステム局」という 20 人程度が所属する部署で私は WEB サイトに責任を持つ部門で責任者として活動しておりました。同局内には他にも内向けの企画管理システムを作る部門や生放送に責任を持つ部門などが存在します。
このサイト全体の方向性や骨組みは私のほうである程度用意しましたが、個ページは局内の人々で分担して作成しました。
またイラスト素材などはデザインを専門にする他局が用意しました。
本番で難解なバグに遭遇
印象に残っているバグの話を紹介します。そのバグはよりによって公開中の本番環境で発現しました。
そのバグは時間別に表示を振り分ける処理が正常に動作しないバグでした。雙峰祭 WEB サイトでは現在リアルタイム生放送で開催しているコンテンツを TOP ページに画像と説明文のセットで表示する機能がありました。その画像と説明文の順番がたまにおかしくなってしまうのです。運の悪いことに学長の顔写真と戦隊モノの劇の説明文が同じ欄に表示されてしまい、まるで学長が戦隊モノを演じるような誤解を与えてしまうような表示になってしまったこともありました。当然運営局から至急治すように指摘がありましたが、解決は難航を極めました。
まず本サイトは Jamstack 構成であり、単に静的なファイルを配布しているだけでしたので疑うべき箇所がよくわかりませんでした。またローカル開発環境とステージング環境では同じ問題は発現しませんでした。さらに本番環境もデプロイし直すことで解決するものの、ある程度時間を置くと同様のバグが発生しました。
なんとなく本番環境の時間処理が良くない、ということまではわかったのですが原因が不明でした。
困り果ていたところ、たまたま技術的知見が深い先輩が遊びに来たので相談させてもらい解決しました。結論から書きますと時刻の指定にタイムゾーンが抜けており、デプロイする Vercel と手元のブラウザで生成される V-DOM が食い違い、Vue はそのことを前提としていないのでバグが発生するとのことでした。この理由なら前述の現象をすべて説明できます。
このバグはよい経験になるとともに、使っているライブラリへの深い理解の重要性を認識させてくれるよい機会でした。
運営に関する反省とそこからの学び
前述の点を除けば、本サイトの作成にあたって技術面での苦労はあまりありませんでした。 それよりも責任者としてチーム全体が円滑に動けるようにサポートうまくできなかったことに反省しています。
反省 ① もっと他人に頼るべきだった
チーム全体としての目標よりも、責任者として周りに迷惑をかけてはいけないという個人の思いが勝ってしまい、結果として大きな進行の遅れを招いてしまいました。責任者として全体の進捗管理や外部部署との連携に時間を使うべきでした。しかし私はあまり周りの手を煩わせないようにと、サイト制作の骨組みやデザインなどに費やしてしまいました。
またもっとオフラインで交流し作業する機会を増やせばよかったかもしれません。私が「手を煩わせないように」と遠慮してしまったのには、オンライン交流が続き十分な親密度を気づけていなかったという要因も大きかったと感じています。特に学生組織だと会社のように強制力があるわけではないので、親密度が物を言う側面があります。これは本件に限らいない話ですが、オンラインは既存の関係を維持するには十分ですが、新しい関係を作る、強化するにはオンラインだけでは難しいです。
若干暗い内容になってしまいましたが、私はこれを人を頼れない自分の悪い癖を見つめ直し、コミュニケーションの重要性を再確認する良い機会だったと前向きに捉えています。
反省 ② もっと根回しをするべきだった
サイト公開日が近づくに連れ改善アイデア自分の中で多々浮かび上がってきました。その時点で私は甘い見積もりをしていたためアイデアやその実現可能性が固まってから他局と共有しようと考えていました。しかしいざ実際にある程度固まった段階で他局に共有をしても、他局なりの様々な都合で実現が困難、ということが多々有りました。
この経験から私はたとえ中途半端であってもキーパーソンに予め根回しをすることの重要性を学びました。
総括
個人的には反省点が多くありました。しかしそれを覆すぐらいの成果を他のメンバーが成果を出してくれていましたし、なにより例年より 1 ヶ月遅れのスケジュール、急遽決まった(多分)筑波大歴史上初ののオンライン開催の方針といった事情を考慮すると、良い学園祭だったと感じています。